顧客管理とニュースレター
ほとんどの歯科医院では電子カルテを利用されていると思います。患者さんの情報がすべてデータ化されているので、紙のカルテでは手間がかかったことが簡単に行えるというメリットがあります。実はこの「患者さんの情報」は宝物と言っても過言ではありません。
現在、弊社では歯科医院の「ニュースレター作成サポート」に最も力を入れています。しかし、もともとは広告制作と広告代理店として長年にわたり営業してきましたので、歯科医院以外にも様々な業種の会社やお店とのお付き合いがあります。
私はそれらの会社やお店をある方法で2種類に分けています。それは顧客情報を「持っているか」、「持っていないか」。
例えば飲食店の場合、まず持っていないお店の方が圧倒的に多いのです。来店されるお客さんがどこの誰なのかほとんど分からないまま毎日の営業を続けています。それで売上が安定していれば問題はないのですが、数字が下がってきたとき何かしなければと広告を出すのです。その媒体は地域のフリーペーパーや折込みチラシ。つまり不特定多数の方に広告を見てもらいクーポン券で来店に繋げるマス広告を利用するのです。確かにこれで来客数は増えるのですが、それはあくまで一時的なもの。時間が経てば元に戻って、再度安売りのクーポン券を付けた広告を打つ、の繰り返しになります。
一方、顧客情報を持っていれば既存のお客さんに対して直接広告を出せます。もちろん最初はマス広告を利用しますが、それで来店された方の情報をアンケート等を書いてもらって集めるのです。しかし全員ではなく限られた方のみになってしまいます。
歯科医院ではどうでしょうか。初診の方はすべて保険証を持ってきます。その情報に来院日時や実際に治療した内容などすべてデジタル情報としてデータベース化できます。つまり患者さん全員のすべての情報が揃っているのです。これを使えばリコールハガキ対象者は簡単に抽出できます。
ここで注意しなければいけないことは、全ての患者さんに送らないこと。何年も来院がない方は転居されていたり、他院に通っている場合が多いからです。
よく「休眠患者の掘り起こしが大切」と言われますが、できるだけ最終来院日が1年〜2年程度の患者さんを対象にするべきです。
そして、もちろんニュースレターを送るべき患者さんも同じです。医院に不満があって来院しない方よりも、ただ単に「忘れていた」から来院していない患者さんの方が圧倒的に多いはずです。そういった方にもう一度来院を促すためにもリコールハガキやニュースレターの発送はとても重要になって来るのです。
新規の患者さんを集めるのと既存の患者さんに再来院してもらうのとでは、それにかかる費用は新規は既存の5〜8倍かかるとも言われています。
「鉄は熱いうちに打て」ということわざもあります。患者さんから忘れられないうちにぜひアプローチをかけましょう。