ハインリッヒの法則

 「ハインリッヒの法則」をご存知でしょうか?アメリカの損害保険会社で技術・調査部の副部長だったハーバード・ウィリアム・ハインリッヒが労働災害事故の統計を分析して導き出した法則で、「ヒヤリ・ハットの法則」とも呼ばれています。

 一つの重大事故(重症や死亡事故)の背後には29の軽微な事故(接触など)があり、さらにその背後には300ものヒヤリ・ハット(事故には至らないが危険を感じた瞬間)があると唱えています。

 一般企業では、1件の大きなクレームの裏には顧客から寄せられた29件の軽微なクレームで明らかになった失敗があり、その裏には苦情がないので表面化されなかった300件もの苦情や不満が存在していると考えることができます。

ハインリッヒの法則

 最近、医療現場でもハインリッヒの法則の重要性が唱えられています。医療事故はあってはならないものです。これを予防するためには300もの小さなヒヤリ・ハットを見逃さず、なぜこうなったのかを考え、対策しなくてはならなりません。もちろん、先生の医院では患者さんの気持ちを十分にくみ取り、何かあればすぐに申し出てください、と患者さんに伝えていると思います。

 ただ、現実問題として、小さな問題をすべて見逃さないといってもスタッフが気づかず、患者さんしか感じない苦情が多いものです。さらに困ったことに不満を待った患者さんのうち96%は何も訴えないのです。当然、そういった患者さんは自然と他の医院に流出しがちになってしまいます。

 これを防ぐには患者さんが何でも言える雰囲気を作っておくこと。つまり患者さんとのコミュニケーションを図っておくことが重要になります。そのためのツールとして力を発揮するのがニュースレターです。ニュースレターで患者さんとの接触機会が増えることで親近感を覚えてもらい、やがて信頼感も増すことになります。

◆苦情を訴えた顧客の54〜70%は、問題が解決されれば再びその企業とビジネスしようとする。
 特に問題が速やかに解決されたと顧客が感じる時には、その数字は95.5%まで上昇する。

  ※出典:カール・アルブレヒト、ロン・ゼンケ共著「サービス・マネジメント」(ダイヤモンド社)

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