忘れられないために
最近の歯科医院はどこも予防歯科に力を入れています。
「歯は一度失ってしまうともとには戻りません。痛くなってから来院するのではなく、定期的にメンテナンスをしてお口の健康を保ちましょう」
まぁこんなことは私が先生に申し上げるまでもないことですが。
でも、これまた先生はよくご存知のことですが、日本と欧米を比べればメンテナンスを受けている人の割合は大きな差があります。ちゃんとメンテナンスを受けていれば痛い思いをすることもなく、費用も少なくて済むのに、それでもまだ日本では具合が悪くなってからしか来院しないのはなぜでしょう?
人は快楽を得るためよりも、苦痛から逃れる方が行動を起こしやすいといわれているにもかかわらず、です。
これは単純に患者さんが忘れてしまっているからです。やっぱり痛くもないのにわざわざ予約して歯医者さんに行こう、と思う人は少ないのです。メンテナンスの時期が近づくとリコールのお知らせを送る場合もありますが、めんどくさいなぁという気持ちから忘れられてしまうのではないでしょうか。
人間ドッグは歯のメンテナンスよりもはるかにめんどくさいはずなのに、ちゃんと年に1回は受診しています、という人がいます。やはり自分の命は大切だからという思いが強いのでしょう。またテレビで有名人が受診したら自覚症状がなくてもガンが見つかったけど、早期だったので大事にはいたらなかったという話もよく聞きます。そうなれば自分も人間ドッグを受けなくっちゃ、と思います。
では歯のメンテナンスはどうでしょう。歯が悪くなっても命までとられることはない、とほとんどの人は考えているはずです。しかし、歯が悪くなれば体中に悪影響をおよぼすことは先生はよくご存知です。だからメンテナンスの重要さを患者さんに説明されていると思います。
しかし、患者さんは忘れてしまいます。ではどうしたら患者さんが忘れずに来院してくれるのでしょうか。
これは繰り返し伝えることでメンテナンスの重要さを説いていくしかありません。言い換えれば患者さんの歯科医療に対する意識をアップさせていくことが大切になってきます。
こういったときにニュースレターが大きな威力を発揮します。
「歯は一度失うともとには戻りません、歯が悪くなれば全身にも悪影響をおよぼします。だからメンテナンスは定期的に受けましょう」
先生が患者さんに対していかに誠実に治療を行っているか、そして一人でも多くの患者さんが忘れることなく、ちゃんとメンテナンスを受けるようにニュースレターを使って啓蒙していくことができます。