ニュースレターの「本当の目的」

 私はこれまでに数多くの先生とお会いし、患者さんから親しみを持ってもらえる医院づくりのため、実際に数多くのニュースレターの作成をさせていただいています。

 初めてお会いする先生にはニュースレター発行のポイントをお話ししています。それは

①医院や先生、スタッフの情報をできるだけ開示する
②患者さんに対する売り込みは極力少なくする
③定期的な発行を続ける

 以上の3点はニュースレター発行の基本ですが、これを忘れてただ単にニュースレターを発行さえすればよいと考えると何回も発行しても効果は期待できません。逆に基本を守ったニュースレターであれば患者さんとのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係を築くことができます。

 これこそがニュースレターの目的です。

 たとえば紙面で「先日、趣味で楽しんでいる釣りでこんな大失敗をしでかしました」なんて紙面に書いてあると、治療時の真面目な雰囲気の先生しか知らない患者さんは「先生も案外おっちょこちょいなところもあるのだな」と思わずクスッと笑ってくれるかもしれません。あるいは「私も釣りが大好き」という患者さんは釣りのことで話がはずむこともあるでしょう。①の情報の開示とはこういったことです。

 またニュースレターにいつも様々なキャンペーンなど、医院の宣伝ばかりが掲載されていると読み手の患者さんは自然に売り込みだと感じてしまい、読まなくなってしまいます。これが②の売り込みを少なくする理由です(宣伝をゼロにするのではなく、全体の30%以下ぐらいに抑えるべき)。

 そしてニュースレターは定期的な発行をし続けてこそ意味があります。でも別に毎月発行する必要はないように思います。2ヶ月に1回、もしくは3ヶ月に1回の発行がベストで、それ以上間があくと忘れられてしまいお薦めできません。そもそも患者さんと医院の信頼関係を築くのがニュースレターの目的です。忘れられては元も子もありません。

 ここでよく考えていただきたいことがあります。ニュースレターの目的は確かに「信頼関係を築く」ことですが、本当の目的は別なところにあるのではないでしょうか。

 それはもちろん患者数のアップ、売上アップに他ならないはずです。せっかくの新規の患者さんも一度きりの来院では意味がなく、定期的に来院していただける患者さんが一人でも多くなれば、自然に売上増につながります。

 売上アップのためにキャンペーンを連発して、それをどんどん患者さんに売り込めば必ず患者さんは敬遠したくなるもの。しかし、「信頼関係を築く」ことを念頭に考え、売り込みは必要最低限に抑えたニュースレターには患者さんは親しみを覚えます。

 直接的な表現で売り込みを図るよりも、まずは患者さんとの信頼関係を築くこと。回りくどいようで、遠回りをしている気になるかもしれませんが、実はその方が近道なのです。基本を守ったニュースレターにはそんな大きな力があります。

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