読んでもらえるかしら?

 ある先生からこんなことを聞かれました。

 「せっかく一生懸命つくったニュースレターだけど、患者さんはちゃんと読んでくれているのかな?」

 この先生はこれまでに4回発行されていて、毎回、約1000通発送し、新規の患者さんには手渡しをされています。第5号発行の打ち合わせ時に冒頭の会話になったのです。

 確かに手間をかけて、それなりの費用もかけてつくりあげたニュースレターです。読んでもらわなければ意味がありません。理想をいえば全ての方に読んでもらえれば最高ですが、現実はそうもいきません。

 でも確実に言えることがあります。それは読まない人もいるけど、必ず読む人もいるということ。言い換えれば、楽しみにしている一定の患者さんは存在しているのです。ニュースレターの役割は新規の患者さんの来院よりも、既存の患者さんとのコミュニケーションを深め、医院を身近に感じてもらうもの。1回きりの患者さんではなく、通い続けてもらう患者さんに育て上げるためのツールです。売り込みのための広告やチラシとは大きく考え方が異なります。

 ですのでニュースレターを発行してもすぐに来院患者さんが激増することはありません。しかし、長い目で見た時、必ずその結果は出てきます。なぜならニュースレターによって患者さん自身が医院や先生に親しみを感じてもらうのに多少は時間がかかりますが、続けて発行するうちにじわじわと患者さんの心に響いてくるからです。よくニュースレターは新薬ではなく漢方薬だ、と言われますがその理由はこういったところにあるのです。

 また、読んでくれない患者さんでも定期的にニュースレターが届けば医院のことを忘れられることがないというメリットもあります。

 「そういえば最近ご無沙汰だけど、そろそろまた検診に行かなくっちゃ」

 と思ってくれる(思い出してくれる)きっかけになることは十分に可能性はあります。ただし、ただ単に発行すればよいということではなく、その内容も大切です。さきほど記したように患者さんとのコミュニケーションを深めることが目的です。毎回、売り込みチラシのような内容ばかりでは逆に患者さんが嫌悪感を持ってしまいます。あくまで患者さんの目線で、読んでためになることや、楽しい雰囲気を作っておくことが重要です。間違ったやり方では発行を続けても意味がありません。

 現在、歯科医院の軒数は6万軒以上でコンビニのおよそ1.5倍の数にのぼり、そして日本の人口は減少の一途をたどりつつあります。歯科医院一軒当たりの患者さんの数も当然のことですが少なくなってきます。

 こんな時代だからこそ患者さんの気持ちを考え、より親しみを持ってもらえる歯科医院であり続けることは、今後の医院経営でも最重要課題であるはずです。ニュースレタにはその課題を解決する力を持ったツールなのです。

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